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第I篇
一般的事項
第1章
目的、範囲及び適用
第1条
目的及び範囲
  1. 本規則の目的は、物質の有害性評価のための代替手法の促進を含む人の健康及び環境の高レベルの保護並びに域内市場における物質の自由な流通とともに競争力と革新の強化を確保することにある。
  2. 本規則は、第3条において意味する物質及び調剤について規定を定める。これらの規定は、当該物質そのもの、調剤に含まれる物質又は成形品に含まれる物質の製造、上市又は使用及び調剤の上市に適用する。
  3. 本規則は、製造者、輸入者及び川下使用者が、人の健康又は環境に悪影響を及ぼさない物質を製造、上市又は使用することを確実にするとの原則に基づいている。予防原則が、本規定を支持する。
第2条
適用
  1. 本規則は下記の事項には適用しない。
    • 電離放射から生じる危険に対する労働者及び一般公衆の健康保護のため基本的安全標準を規定する1996年5月13日付け理事会指令96/29/Euratom※26 の適用範囲内の放射性物質
    • 物質そのもの、調剤に含まれる物質中又は成形品に含まれる物質であって、税関の監視下の対象でありどのような処理又は加工も受けないもの及び暫定的に貯蔵されているもの、再輸出の意図から規制対象外地域又は規制対象外の倉庫に置かれているもの又は輸送中のもの
    • 中間体で単離されないもの
    • 危険な物質や危険な調剤に含まれる危険な物質の鉄道、道路、内陸水路、海路又は空路による輸送
  2. 欧州議会及び理事会指令2006/12/EC※27 に定義する廃棄物は、本規則第3条において意味する物質、調剤又は成形品ではない。
  3. 加盟国は、防衛のために必要ならば、ある種の物質そのもの、調剤に含まれる物質又は成形品に含まれる物質について、特定の場合には、本規則からの免除を認めることができる。
  4. 本規則は、以下については侵害することなく、適用する。
    • 欧州共同体作業場及び環境法規(作業中の労働者の安全及び健康における改善を促進するための対策の導入に係る1989年6月12日付け理事会指令89/391/EEC※28 、統合された汚染防止及び管理に係る1996年9月24日付け理事会指令96/61/EC※29 、指令98/24/EC及び水政策の分野における欧州共同体活動の枠組みを確立する2000年10月23日付け欧州議会及び理事会指令2000/60/EC※30 並びに指令2004/37/ECを含む。)
    • 指令76/768/EEC(同指令の適用を受ける脊椎動物を含む試験に関する部分に限る。)
  5. 物質を以下の用途に使用する場合には、第II篇、第V篇、第VI篇及び第VII篇の規定は適用しない。
    • 規則(EC) No 726/2004、動物用医薬品に係る欧州共同体コードに係る2001年11月6日付け欧州議会及び理事会指令2001/82/EC※31 並びに人使用の医薬品に係る欧州共同体コードに係る2001年11月6日付け欧州議会及び理事会指令2001/83/EC※32 の適用範囲内における人用又は動物用医薬品
    • 規則(EC) No 178/2002 に従う食品又は飼料であって以下の用途を含む。
      • 人の消費が意図された食品への使用を認められた食品添加物に係る加盟国の法律の近似化に係る1988年12月21日付け理事会指令89/107/EEC※33 の適用を受ける食品に含まれる食品添加物
      • 食品中に使用する香料及びその生産のための原材料に係る加盟国の法律の近似化に係る1988年6月22日付け理事会指令88/388/EEC※34 並びに欧州議会及び理事会規則(EC) 2232/96の適用において作成された食品中又は食品上で使用される香料の登録を認可する1999年2月23日付け委員会決定1999/217/EC※35 の適用を受ける食品に含まれる香料
      • 動物栄養剤への使用のための添加物に係る2003年9月22日付け欧州議会・理事会規則(EC) No 1831/2003※36 の適用を受ける飼料に含まれる添加物
      • 動物栄養剤に使用されるある種の製品に係る1982年6月30日付け理事会指令82/471/EEC※37 の適用を受ける動物栄養剤
  6. 第IV篇の規定は、最終消費者用に最終的な状態になっている以下の調剤には適用しない。
    • 規則(EC) No 726/2004及び指令2001/82/ECの適用を受ける指令2001/83/ECで定義される人用又は動物用の医療品
    • 指令76/768/EECで定義される化粧品
    • 侵襲的な又は人体に直接に物理的に接触して使用する医療機器(欧州共同体が危険物質や調剤の分類及び表示に関し、指令1999/45/ECと同程度の情報の提供及び保護を保証する規定を定めている場合に限る。)
    • 規則(EC) No 178/2002 に従う以下の用途を含む食品又は飼料
      • 指令89/107/EECの適用を受ける食品に含まれる食品添加物
      • 指令88/388/EEC及び決定1999/217/ECの適用を受ける食品に含まれる香料
      • 規則(EC) No 1831/2003の適用を受ける飼料に含まれる添加物
      • 指令82/471/EECの適用を受ける動物栄養剤における使用
  7. 第II篇、第V篇及び第VI篇から以下を免除する。
    • その固有の特性のために最小限のリスクしか生じないとみなされる十分な情報が知られている物質として附属書IVに含まれるもの
    • 登録が不適当又は不必要とみなされ、これらの篇からの免除が、本規則の目的を侵害しない物質として附属書Vに含まれるもの
    • 第II篇に従って登録され、サプライチェーンの関係者によって欧州共同体から輸出され、同一のサプライチェーンの同じ又は別の関係者により欧州共同体へ再輸入される物質そのもの又は調剤に含まれる物質であって、これらの関係者が以下のの事項を示すもの
      • 再輸入する物質が輸出した物質と同一であること
      • 輸出された物質に関し第31条又は第32条に従った情報が提供されていること
    • 第II篇に従い登録され、欧州共同体内で回収される物質そのもの、調剤に含まれる物質又は成形品に含まれる物質であって、以下に該当するもの
      • 回収プロセスによって生じる物質が第II篇に従って登録された物質と同一、かつ
      • 第II篇に従って登録された物質に関し、第31条又は第32条により要求される情報が回収を行う組織に利用可能
  8. 現場で単離される中間体及び単離された中間体で輸送されるものは、以下を免除する。
    • 第U篇第1章(第8条及び第9条を除く)、及び
    • 第VII篇
  9. 第II篇及び第VI篇の規定は、ポリマーについては適用しない。
第2章
定義及び総則
第3条
定義

本規則の目的のために、

  1. 物質とは、化学元素及び自然の状態での又はあらゆる製造プロセスから得られる化学元素の化合物をいい、安定性を保つのに必要なあらゆる添加物や、使用するプロセスから生じるあらゆる不純物が含まれる。しかし、物質の安定性に影響を及ぼさないで、又はその組成を変えずに分離することのできるあらゆる溶剤を除く。
  2. 調剤とは、2つ又はそれ以上の物質からなる混合物又は溶液をいう。
  3. 成形品とは、生産時に与えられる特定な形状、表面又はデザインがその化学組成よりも大きく機能を決定する物体をいう。
  4. 成形品の生産者とは、欧州共同体内で成形品を製造又は組み立てる自然人又は法人をいう。
  5. ポリマーとは、1種類又はそれ以上のモノマー単位の連続により特徴付けられる分子により構成される物質をいう。これらの分子は、その分子量の差が主にモノマー単位の数の差に帰せられる分子量分布を有していなければならない。ポリマーは以下のものからなる。
    • 少なくとも一つの他のモノマー単位又は他の反応物と共有結合している少なくとも三つのモノマー単位を含む分子による単純重量過半数の部分
    • 同一の分子量の分子による単純重量過半数より少ない部分
    この定義の文脈では、「モノマー単位」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。
  6. モノマーとは、特定のプロセスにおいて用いられるポリマー生成反応の条件下において追加の類似又は非類似である分子の連続による共有結合を形成することができる物質をいう。
  7. 登録者とは、物質について登録を提出する物質の製造者若しくは輸入者又は成形品の生産者若しくは輸入者をいう。
  8. 製造とは、生産又は自然状態の物質の抽出をいう。
  9. 製造者とは、欧州共同体内で物質を製造する欧州共同体内に所在する自然人又は法人をいう。
  10. 輸入とは、欧州共同体の税関管轄区内への物理的導入をいう。
  11. 輸入者とは、輸入に責任を持つ、欧州共同体内に所在する自然人又は法人をいう。
  12. 上市とは、有償であるか無償であるかに拘わらず、第三者に対して供給又は利用可能にすることをいう。輸入は上市とみなす。
  13. 川下使用者とは、欧州共同体内に所在する自然人又は法人(製造者又は輸入者を除く)であって、産業活動又は職業上の活動において、物質そのもの又は調剤に含まれる物質のいずれかを使用するものをいう。流通業者及び消費者は、川下使用者ではない。第2条(7)(c)に基づいて免除される再輸入者は、川下使用者とみなす。
  14. 流通業者とは、欧州共同体内で認められた自然人又は法人(小売業者を含む)であって、物質そのもの又は調剤に含まれる物質を、第三者のために貯蔵及び上市のみを行うものをいう。
  15. 中間体とは、他の物質に変わるための化学的処理(以下「合成」という。)のために製造され、その処理において消費又は使用される物質をいう。
    • 単離されない中間体とは、合成過程において、試料採取を除いて合成が起こっている装置から意図的には除去されない中間体を意味する。そのような装置は、反応容器、その補助装置及び次の反応段階のためにある容器から別の容器に移す配管など当該物質が連続流又はバッチプロセス中に通過するあらゆる装置を含むが、製造後にそれらの物質を貯蔵するタンク又は他の容器は除かれる。
    • 現場で単離される中間体とは、単離されない中間体の基準に適合しない中間体であって、その中間体の製造やその中間体から他の物質への合成が、同一の現場で一つ又はそれ以上の法人組織により行われるものをいう。
    • 単離された中間体で輸送されるものとは、単離されない中間体の基準に適合しない中間体であって、他の現場との間で輸送又は供給されるものをいう。
  16. 現場とは、物質の製造者が一つ以上ある場合に、ある構造基盤と施設を共有する単一の場所をいう。
  17. サプライチェーンにおける関係者とは、サプライチェーンにおける製造者及び/又は輸入者及び/又は川下使用者のすべてをいう。
  18. 化学物質庁とは、本規則によって設立される欧州化学物質庁をいう。
  19. 権限のある当局とは、本規則から生じる義務を遂行するために加盟国によって設置されている当局又は機関をいう。
  20. 段階的導入物質とは、以下の基準のうち少なくとも1つを満たす物質をいう。
    • 欧州既存商業化学物質リスト(EINECS)に記載されている物質
    • 欧州共同体又は1995年1月1日若しくは2004年5月1日に欧州連合に加盟した国において製造されたが、本規則発効前の15年間において少なくとも一度も製造者又は輸入者により上市されたことがない物質(製造者又は輸入者が文書による証拠を持っている場合に限る。)
    • 欧州共同体又は1995年1月1日に若しくは2004年5月1日に欧州連合に加盟した国において、本規則発効前に製造者又は輸入者により上市された物質で、指令67/548/EECの第8条(1)の第1インデントに従って届出がなされているとみなされるが、本規則に定められたポリマーの定義を満たさないもの(製造者又は輸入者が文書による証拠を持っている場合に限る。)
  21. 届出物質とは、届出が提出され、指令67/548/EECに従って上市されうる物質をいう。
  22. 製品や工程を見極めるための研究開発とは、生産プロセスの開発及び/又は物質の適用分野の試験を行うためのパイロットプラントや試行的生産における、物質そのもの、調剤に含まれる物質又は成形品に含まれる物質についての製品開発及び一層の開発に関するあらゆる科学的開発をいう。
  23. 科学的研究開発とは、年間1トン未満という管理された条件下で行われるあらゆる科学的実験、分析又は化学的研究をいう。
  24. 使用とは、あらゆる加工、配合、消費、貯蔵、保管、処理、容器への充填、一つの容器から他の容器への移し変え、混合、成形品の製造その他あらゆる使用をいう。
  25. 登録者自身の使用とは、登録者による工業的又は専門的な使用をいう。
  26. 特定された用途とは、サプライチェーンにおける行為者によって意図されている物質そのもの又は調剤に含まれる物質の用途又は調剤の用途をいい、サプライチェーンの行為者自身の用途又は直下の川下使用者から行為者に書面で通知される用途を含む。
  27. 完全調査報告書とは、情報を得るために行った活動の完全かつ包括的な記述をいう。完全調査報告書には、実施した調査を記述した文献として発表された完全な科学論文や試験機関による実施した調査を記述した完全な報告書が含まれる。
  28. ロバスト調査要約書とは、完全調査報告書を調べる必要性を最小限にし、独立した研究評価をするのに十分な情報を提供する、完全調査報告書の目的、方法、結果及び結論の詳細な概要をいう。
  29. 調査要約書とは、その試験の適切さについての評価を行うのに十分な情報を提供する、完全調査報告書の目的、方法、結果及び結論の概要をいう。
  30. 年間とは、別に記述されない限り一暦年当たりをいい、少なくとも3連続年間に輸入又は製造された段階的導入物質については、年間の量は前3暦年間の平均の製造量又は輸入量に基づき計算される。
  31. 制限とは、製造、使用又は上市に対するあらゆる条件又は禁止をいう。
  32. 物質又は調剤の供給者とは、物質そのもの若しくは調剤に含まれる物質又は調剤を上市するあらゆる製造者、輸入者、川下使用者又は流通業者をいう。
  33. 成形品の供給者とは、成形品の生産者若しくは輸入者又は成形品を上市するサプライチェーンにおける流通業者又は他の関係者をいう。
  34. 物質又は調剤の受領者とは、物質又は調剤を供給される川下使用者又は流通業者をいう。
  35. 成形品の受領者とは、成形品を供給される産業上又は職業上の使用者又は流通業者をいい、消費者を含まない。
  36. 中小企業とは、零細、小規模及び中規模企業の定義に係る2003年5月6日付け委員会勧告※38 で定義された小規模及び中規模企業をいう。
  37. ばく露シナリオとは、物質のライフサイクルにおいてどのように製造され、使用されるか、そして製造者又は輸入者が人及び環境へのばく露をどのように管理するか、又は川下使用者にその管理をどのように推奨するかを記述した、作業条件やリスク管理措置を含んだ一連の条件をいう。これらのばく露シナリオは、特定の一つのプロセス又は用途、必要に応じて、いくつかのプロセス又は用途を含めてもよい。
  38. 用途・ばく露区分とは、広範囲にわたるプロセス又は用途を含むばく露シナリオをいい、そこではプロセスや用途が、最低限、簡潔で一般的な記述で伝達されている。
  39. 自然に存在する物質とは、処理されていない物質、手動的、機械的若しくは重力的方法、水溶解、浮揚、水での抽出、水蒸留若しくは単に水分除去のための加熱による処理がなされた物質、又はあらゆる手段により空気中から抽出された物質であって、自然に発生している物質をいう。
  40. 化学的に修飾されていない物質とは、例えば不純物の除去など、たとえ化学的な加工、処理又は物理的鉱物学的変換を受けたとしても、化学構造が変わっていない物質をいう。
  41. 合金とは、機械的手段では容易に分離できないように結合されている二つ又はそれ以上の元素からなる肉眼的には均質の金属材料をいう。
第4条
一般規定

いかなる製造者、輸入者、又は関連する場合には川下使用者も、本規則に基づく義務を遵守する完全な責任を負いつつ、他の製造者、輸入者、又は関連する場合には川下使用者との協議を含めて、第11条、第19条、第III篇及び第53条に基づくすべての手続きについて、第三者の代理人を任命することができる。これらの場合には、代理人を任命した製造者、輸入者又は川下使用者の身元は、通常、化学物質庁によって他の製造者、輸入者又は関連する場合には川下使用者に開示されてはならない。

  1. 欧州官報 L159, 29.6.1996, p.1.
  2. 欧州官報 L114, 27.4.2006, p.9.
  3. 欧州官報 L183, 29.6.1989, p.1. 本指令は、規則(EC) No 1882/2003によって改正。
  4. 欧州官報L257, 10.10.1996, p.26. 本指令は、直近では欧州議会・理事会指令(EC) No 166/2006(欧州官報 L33, 4.2.2006, p.1)によって改正。
  5. 欧州官報L327, 22.12.2000, p.1. 本指令は、欧州議会・理事会指令(EC) No 2455/2001/EC(欧州官報 L331, 15.12.2001, p.1)によって改正。
  6. 欧州官報 L311, 28.11.2001, p.1. 本指令は、直近では欧州議会・理事会指令2004/28/EC(欧州官報 L136, 30.4.2004, p.58)によって改正。
  7. 欧州官報 L311, 28.11 .2001, p.67. 本指令は、直近では欧州議会・理事会指令2004/27/EC(欧州官報 L136, 30.4.2004, p.34)によって改正。
  8. 欧州官報 L40, 11.2.1989, p.27. 本指令は、直近では規則(EC) No 1882/2003によって改正。
  9. 欧州官報 L184, 15.7.1988, p.61. 本指令は、直近では規則(EC) No 1882/2003によって改正。
  10. 欧州官報 L84, 27.3.1999, p.1. 本決定は、直近では決定2004/357/EC(欧州官報 L113, 20.4.2004, p.28)によって改正。
  11. 欧州官報 L268, 18.10.2003, p.29. 本規則は、委員会規則(EC) No 378/2005(欧州官報 L59, 5.3.2005, p.8)によって改正。
  12. 欧州官報 L213, 21.7.1982, p.8. 本指令は、直近では委員会指令2004/116/EC(欧州官報 L379, 24.12.2004, p.81)によって改正。
  13. 欧州官報L124 20.5.2003, p.36.

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