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REACH予備登録のための実践的ステップ

  1. 1. このガイドは、ECHAの許可を得て、環境省で仮訳(pdf PDF)を行なったものです。 原文(英語)は、以下のECHAウェブサイトからダウンロードできます(08/06/01現在)。
    http://echa.europa.eu/doc/pre-registration/080403%20ECHA-08-B-01-EN_PracticalSteps-web.pdf
  2. 誤訳等にお気づきの場合には、電子メールにて環境省環境保健部化学物質審査室へ御連絡いただけると幸いです。(電子メールアドレス:chem@env.go.jp
  3. 本資料はREACH に関する情報提供を目的に作成されたものです。疑問点や詳細な点については、必ず原典(REACH 規則の本文等)をご確認ください。

参照番号:CHA-08-B-01-EN
発行日 :2008年4月2日
言語 :英語(環境省仮訳)

本文書は、以下の22言語で発行されている。
ブルガリア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、英語、エストニア語、フィンランド語、フランス語、ドイツ語、ギリシャ語、ハンガリー語、イタリア語、ラトビア語、リトアニア語、マルタ語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語、スロバキア語、スロベニア語、スペイン語、スウェーデン語

本文書はREACHへの予備登録処理の概要、及び関連するREACHガイダンス文書の入手先を記載する。

本文書に関する質問や意見は、文書番号、発行日、及びどの言語の版かを明記し、info@echa.europa.euへ電子メールを送付すること。

本文書の対象者

本文書の対象はEU域内で物質※1を製造する製造者、非EU国からEUへ物質を輸入する輸入者である。本文書により、REACHが課す責務を確認し、新しいEUの化学物質規制に関するビジネス上のリスクを最小限にすることができる。

REACHは、化学物質の登録、評価、認可及び規制を行うための新制度である。予備登録は、EU市場※2に現存する物質を新制度へ段階的に導入するための、今後11年間における作業の第一段階である。REACHにおける物質の予備登録期間は2008年6月1日の開始から2008年12月1日の終了までである。

約30,000種の物質が、REACHの登録要件の対象となると思われる。物質の登録は、以下の手順により行われる。

  1. 物質の有害特性とその安全使用条件の編集及び評価
  2. その情報の欧州化学物質庁(ECHA: European Chemicals Agency)への提出
  3. 当該登録料の支払い

事業者が以下の諸活動のいずれかを行う場合、本文書の対象となる。

物質の製造、調剤の調整、成形品の製造をEU域外で行う企業は、物質の(事前)登録は行えない。しかしこれらの企業も、EU域内に輸入する物質に必要な(事前)登録のために、EU域内に所在する唯一の代理人※3を指名することができる。

本文書は、予備登録の基本情報及び予備登録完了に必要となるもっとも重要なガイダンス文書やツールの入手先を記載する。

予備登録のために提出すべき情報

予備登録では、各物質の以下の情報を登録する。

予備登録による便宜

予備登録により、登録の締め切りを延期できる。REACHでは、いわゆる「段階的導入物質」※6について、トン数幅と物質の有害性に基づいた登録の段階的締切りを設けている。

この段階的手法により、産業界は新制度への適応を段階的に進めることができる。予備登録については、以下の便宜がある。

予備登録は無料である。また予備登録後も、物質の製造又は輸入を維持する義務はない。ただし、予備登録完了事業者は、2018年6月1日まで物質情報交換フォーラム(SIEF: Substance Information Exchange Forum)の一員となり、積極的にSIEFの活動に参加する必要があることを留意すること。これに加え、事業者は自らが扱う物質に関する金銭上の責務を負う。データを共有する事業者は、公正かつ透明性を持ち公平な方式で情報共有コストを決定する努力を図ること。一般に、費用の共同負担についての合意は、利用可能な情報を参加者が開示する前に行うことがよいとされる※7

予備登録を行わない場合

物質に関する予備登録を行わない場合、事業者は移行期における恩恵を受けることができない。その場合、2008年以降に年間1トン以上の物質の製造又は輸入を継続する前に、事業者は当該物質に関する登録一式文書を提出しなければならない。

すなわち、事業者がECHAから登録番号を受理するまで当該物質の製造又は輸入を中止しなければならないことを意味する。

登録番号を受理するためには、以下の手続きを行うこと。

2008年6月1日から2008年12月1日までの短い予備登録期間を逃さないこと。
予備登録により、REACHの時代への段階暫時的移行が可能となる。

予備登録データの使用

予備登録された物質のリストは、2009年1月1日までにECHAウェブサイトで公開する。このリストには、各物質の名称を掲載する。もし当該物質について、EINECS及びCAS番号が存在すればこれらも掲載する。また、第一回登録締め切り予定も掲載する。このリストには、予備登録者が所有する、関連物質の名称及びその他の識別情報、すなわち、読み取り法、(定量的)構造活性相関及び/又は物質のグループ分け群を使用した試験要件の適合に関連する利用可能な情報も掲載する。ECHA発行のリストには、予備登録者の識別情報は掲載しない。その情報は同一物質を予備登録した事業者、及び読み取り法のために関連物質を予備登録した事業者にのみに開示する。

予備登録情報は、同一の「段階的導入物質」の製造者及び輸入者間での情報共有と、その分類及び表示に関する合意を目的とするSIEF形成の基礎となる。SIEFには、当該物質の情報を保持する川下使用者と、その他の利害関係者が参加する場合がある。

SIEFプロセス全体の責任は、産業界にあることに留意すること。

原則として、段階的導入物質1つにつきSIEFが1つ形成される。また、SIEF参加事業者は義務としての「データの共同提出」※9を組織するために、他の潜在的登録者と築いた関係を利用することができる。化学物質安全性評価の実施に必要なデータの交換、化学物質安全性報告書の起草、及び安全使用のガイダンスの合意といった作業が、共同提出における選択肢の一部である。

同一物質の製造又は輸入を複数の事業者が行っているか、以下の4段階の作業で決定する※10

  1. 事業者は、物質の予備登録又は登録を行う名称及び/又は識別コードを決定する。
  2. 同一名称及び/又は識別コードの下で予備登録を行った複数企業は、当該物質がSIEF形成及び共同提出の目的に照らして同一であるかどうかを決定する。
  3. これに加えこれらの企業は、その物質が他の名称及び/又は識別コードの下で予備登録又は登録されているかどうかを確認する。この段階では、他の事業者が予備登録した物質が同一であるとの合意を得る。
  4. 上記3段階に参加した事業者は、SIEFを形成する。各SIEFの活動期間は、2018年6月1日までである。

(予備)登録すべき物質の特定方法

予備登録に当たっては、以下の予備手続きを完了すること。

  1. EU域内で製造する製品及び非EU諸国から輸入する製品の一覧表を作成する。
  2. 当該製品が単一物質、調剤(登録対象のさまざまな物質を含有)であるか、又は成形品から放出される物質があるかないかを確認する。
  3. これらの物質がモノマー、ポリマー、又は中間体であるか、また製品・プロセス指向研究開発の目的に沿った物質か、REACHの登録免除に関する附属書(附属書IV又はV)に掲載される物質か、REACHの下で特別な格付けのある物質かについて確認する※11
  4. IUPAC命名法、EINECS番号、CAS番号又はその他の識別コードで特定した物質名について、利用可能な情報及び試験所が出す分析データ(当該物質に関する定性的及び定量的組成)を収集する。
  5. REACHにおける物質の特定及び命名に関するガイダンスに従って、当該物質を命名する※12
  6. 物質の段階的導入に関する状況を確認する。以下の基準のいずれか1つでも満たす物質は、段階的導入物質である※13


    • 欧州既存商業化学物質リスト(EINECS: Substances listed in the European INventory of Existing Commercial chemical Substances)に掲載される物質
    • EU域内(2004年以前の加盟候補国を含む)で製造されたが、1992年6月1日以降もEU市場に上市されていない物質
    • いわゆる「もはやポリマーとはみなされない物質」と認められる物質
  7. 年間トン数及び分類及び表示に対応した、登録締め切り予定を確認する。

段階的導入物質の登録義務がある事業者は予備登録の資格を持ち、REACH登録締め切りを延期できるメリットを享受可能であることに留意すること。

予備登録の実務

予備登録は、ECHAウェブサイト上のREACH-ITポータルを介して行うこと。物質の予備登録を始めるためには、REACH-ITで事業者アカウントをあらかじめ作成する必要があることに留意する。ウェブサイトのREACH-ITセクションに、予備登録申請用のアクセスポイントがある。予備登録申請用アクセスポイントに入ると専用ページに案内されるので、物質の予備登録に関する以下の2つの選択肢から1つを選択する。

  1. オンライン予備登録(2008年6月1日開始):物質毎に必要な情報を、REACH-ITシステムへ直接入力する※14
  2. XMLファイルを利用した予備登録出願:ファイルは、指定の電子ファイル形式で物質毎に作成し、オンライン予備登録時にアップロードする。この方法においては、単一又は複数の物質に関する必須予備登録情報を記載したファイルを1つ又は複数提出できる。

これらのファイルについては、以下のように準備を進めることができる。

登録すべき物質が少なくIUCLID 5を現在利用していない場合は、REACH-ITを介したオンライン予備登録が簡便である。IUCLID 5もしくはXMLの利用は、多種の化学物質について予備登録を行う場合に適する。これらの方法では、単一のファイルで複数の物質に関する予備登録を申請できるからである。その場合、XMLファイルの提出時にEINECS番号が利用できることが前提となる。

2008年12月1日以降の予備登録は可能か

1トン以上の段階的導入物質の製造又は輸入を初めて行う事業者は、以下の時期に予備登録を行うならば、2008年12月1日以降、登録締め切りの延期の恩恵を受けられる。

製造又は輸入の実施初回とは、REACHの効力発生日(2007年6月1日)以降の最初の時をいう。

詳細情報について

ECHAウェブサイトには、REACH情報へのアクセスポイントが掲載されている。

予備登録について質問があれば、以下を参考にすること。

重要な事実/定義

既存化学物質、段階的導入物質、非段階的導入物質
段階的導入物質(遷移過程が適用される)は、以下の物質である。

これら3点の基準のいずれも満たさず、かつREACHの対象とされる物質は、段階的導入物質ではないため遷移過程の恩恵を受けない。

物質、調剤、成形品
REACHの概念は、物質に基礎を置くものである。ほとんどの責務は、物質に関わるものである。その際の物質とは、物質そのもの、又は調剤に含まれる物質、又は成形品内に存在する物質のいずれかを指す。

物質とは、化学元素及び自然の状態での又はあらゆる製造プロセスから得られる化学元素の化合物をいい、安定性を保つのに必要なあらゆる添加物や、使用する プロセスから生じるあらゆる不純物が含まれる。しかし、物質の安定性に影響を及ぼさないで、又はその組成を変えずに分離することのできるあらゆる溶剤を除く。

2つ又はそれ以上の物質が混合される場合、用語「調剤」を使用する。物質及び混合物の分類、表示、及び梱包に利用される世界調和システム(GHS: Globally Harmonised System)では、「調剤」ではなく、用語「混合物」を使うことに留意すること。

成形品に含まれる物質のREACHの下での登録には、特別措置が適用される。成形品とはREACHの下で使用する法律用語であり、特定の目的で使用するために特定な形状、表面又はデザインを与えられた物体をいう(例:車、繊維、電子チップなどのような製品)。

物質が製造者又は輸入者当たりで年間1トンを超える量で製造又は輸入され、通常の又は予測可能な使用条件下で意図的に放出される場合、REACHではそれらの物質の通常規則に従った登録を義務づけている※16

物質特定の基本
REACHにおける物質の定義は、危険物質指令改正第7版(指令92/32/EEC、改正指令67/548/EEC)における現行定義に等しい。いずれの定義も、単一分子※17により定義する純粋な化合物の範囲より広く定義をしている。

物質を特定する方法は、物質のタイプにより異なる。物質は、以下のように主に2種類に分類できる。

  1. 「明確に定義された物質」:定性的組成及び定量的組成を持つ物質で、REACH附属書VIセクション2の特定パラメータに基づき十分に特定が可能なもの。特定と命名規則は、1つの主要成分(おおむね80%以上)を持つ「明確に定義された物質」と、1つ以上の主要成分(おおむね各成分が10%以上かつ80 %未満)を持つ物質では異なる。いわゆる「単一成分物質」と「多成分物質」の違いである。
  2. 「UVCB物質」:組成が未知か又は不定な構成要素をもつ物質、複雑な反応生成物、又は生体物質のこと。これらの物質は、その組成のみから明確に特定することは困難である。由来又は製造プロセスなど、別の識別子の考慮が必要である。

第三者の代理人
いかなる製造者又は輸入者も、データに関連する作業及び費用の共同負担のために、第三者の代理人を任命することができる。事業者が特定の物質への興味を開示したくない場合、この措置が行われる。興味が開示されると、競合社に製造又は企業秘密についての示唆を与える可能性があるためである。予備登録時に開示された連絡先は、同一識別コードの下で予備登録された物質のすべての潜在的登録者、及び読み取り法の可能性が示されているすべての物質の潜在的登録者に開示される。これらの情報が機密事項であると考える場合、第三者の代理人を利用できる。

唯一の代理人
欧州共同体に輸入される物質そのもの、調剤に含まれる物質又は成形品に含まれる物質を製造し、調剤を調製し又は成形品を生産する欧州共同体外に所在する自然人又は法人は、輸入者の義務を果たすために、相互の合意によって欧州共同体内に所在する自然人又は法人を、唯一の代理人として指名することができる。唯一の代理人は、以下の条件を満たす自然人又は法人である。

唯一の代理人に関しては、登録ガイダンスを参照すること※18

複数の登録者によるデータの共同提出
各製造者、輸入者又は唯一の代理人は、物質ごとに登録を提出する義務を負う(法人ごと)。しかし物質が複数の事業者により製造され又は輸入される場合、これらの事業者は特定の情報を共同で提出しなければならない。これをデータの共同提出という。登録者は、物質の有害特性、物質の分類及び表示、試験提案(存在する場合)に関する情報を共同で提出しなければならない。また登録者が合意する場合、化学物質安全性報告書及び安全使用のガイダンスを共同で提出しなければならない※19

関連資料へのリンク

REACH規則EC No 1907/2006
http://eur-lex.europa.eu/JOHtml.do?uri=OJ:L:2007:136:SOM:EN:HTML

REACHガイダンス文書
http://reach.jrc.it/guidance_en.htm

登録についてのガイダンス
http://reach.jrc.it/docs/guidance_document/registration_en.htm

データ共有についてのガイダンス
http://reach.jrc.it/docs/guidance_document/data_sharing_en.htm

REACHにおける物質の特定及び命名に関するガイダンス
http://reach.jrc.it/docs/guidance_document/substance_id_en.htm

成形品に含まれる物質の要件に関するガイダンス(2008年6月1日発行)

REACH-ITユーザーガイド(2008年6月1日発行)

IUCLID 5ユーザーガイドhttp://ecbwbiu5.jrc.it/

ECHAウェブサイトhttp://echa.europa.eu

ECHAヘルプデスクhttp://echa.europa.eu/reach/helpdesk_en.html

ESIShttp://ecb.jrc.it/esis/

IUCLID 5http://echa.europa.eu/iuclid

REACH-IThttp://echa.europa.eu/reachit

予備登録http://echa.europa.eu/pre-registration(4月中旬に掲載)

REACHガイダンス ファクトシート(まもなく発行予定)

  1. 用語物質、調剤、成形品の詳細については、本文書最後の「重要な事実/定義」のセクションで説明する。
  2. 2008年後期より、欧州経済地域(EEA)国であるノルウェー、アイスランド及びリヒテンシュタインにも、製造者及び輸入者に課すすべての条件を欠くことなくREACHを適用する。
  3. 用語唯一の代理人の詳細については、本文書最後の「重要な事実/定義」のセクションで説明する。
  4. 用語成形品の詳細については、本文書最後の「重要な事実/定義」のセクションで説明する。
  5. 用語第三者の代理人の詳細については、本文書最後の「重要な事実/定義」のセクションで説明する。
  6. 用語既存化学物質、段階的導入物質、非段階的導入物質の詳細については、本文書最後の「重要な事実/定義」のセクションで説明する。
  7. Guidance on Data Sharing(英語)を参照すること。
  8. 所有する又は、使用する権利を持つ。
  9. 用語複数の登録者によるデータの共同提出の詳細については、本文書最後の「重要な事実/定義」のセクションで説明する。
  10. Guidance for identification and naming of substances under REACH(英語)及びGuidance on Data Sharing(英語)を参照すること。
  11. 詳細については、Guidance on registration(英語)に記載する。
  12. Guidance for identification and naming of substances under REACH(英語)を参照すること。
  13. 用語既存化学物質、段階的導入物質、非段階的導入物質の詳細については、本文書最後の「重要な事実/定義」のセクションで説明する。詳細については、Guidance on registration(英語)に記載する。
  14. User guide on REACH-IT(英語)を参照すること。
  15. IUCLID 5 tutorial(英語)を参照すること。
  16. Guidance on requirements for substances in articles(英語)を参照すること。
  17. Guidance for identification and naming of substances under REACH(英語)を参照すること。
  18. Guidance on registration(英語)を参照すること。
  19. Guidance on data sharing(英語)を参照すること。

この実務ガイドは、ECHAの許可を得て、環境省で仮訳を行なったものです。
原文については、以下のURLをご覧ください。
http://echa.europa.eu/doc/pre-registration/080403%20ECHA-08-B-01-EN_PracticalSteps-web.pdf

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